クライオヴァのニコラエ・ロマネスク公園。

市内で最も古い非宗教的な建物であるカサ・バウニイは、1699年にコンスタンティン・ブラウンコヴァーヌが家臣の住居として建てたものである。すでに1491年、バン（支配者）の居城はストレハイアからクライオヴァに移されていた。バンの家」はその後、ハプスブルク家の政権所在地となり、現在は民族誌博物館となっている。いわば、この町がこの地方の中心地へと上り詰めたことを示すものである。オーストリアの支配下（1718年～1738年）には、一時的に衰退したが、ワラキアとモルダヴィアの2つの公国が統一（1859年～1862年）されると、クライオヴァは新たな活況を呈した。歴史的建築物のほとんどは、19世紀末から第一次世界大戦までのものである。第二次世界大戦後に大学の本館となったネオクラシック様式の司法宮殿、大地主イオアン・C・”ジャン”・ミハイルのネオゴシック様式の宮殿、ペトレ・アントネスク設計のネオロマネスク様式の行政宮殿などがそれである。

この旧クライオヴァの南端には、ニコライ・ロマネスク公園（当時はビベスク公園）があり、世紀末に同名のボヤール家の旧領地に造られた。この公園は、この国で最も美しい公園と言っても過言ではない。約90ヘクタールの面積を持つこの公園は、レクリエーション、文化、スポーツ活動の場でもある。その計画はフランスの造園家エドゥアール・ルドンによって描かれ、パリの万国博覧会（1900年）で賞を受賞した： メダルはオルテン歴史考古学博物館に所蔵されている。その実現は、1897年から1903年にかけて、当時の市長ニコラエ・ロマネスクの主導で行われた。

同時にレドントは、ブカレストのキャロル公園、ピテシュティのトリヴァレ公園、ママイアの海辺のリゾートの計画も提供した。19世紀初頭にはすでに、ルーマニアのエリートたちは、西欧のラテン語の大姉妹を発見しており、それはその後、国の解放的近代化の決定的なきっかけとなった。19世紀末から20世紀半ばにかけて、フランスやスイスの建築家たちがルーマニアで活躍した： 前述のジャン・ミハイルの宮殿は、南仏ペルピニャン出身のポール・ゴッテローの設計によるもので、彼はコトロセニ城やブカレストの大学図書館本館も手がけている。

公園の中心的な要素には、実際に給水塔として機能していた「魔法の城」（Castelul Fermecat）や、夏はペダルボート、冬はアイススケートで移動できる人工湖に架かる約50メートルの堂々とした吊り橋がある。即席の丘と谷の間には、気候条件のためにルーマニアでは見られない数多くの樹種も植えられている。現在、公園はルーマニアの芸術家による彫刻の展示場にもなっている。

数ヶ月の間、公園にはステファン大帝の像も置かれていた。1944年春、ルーマニア軍がベッサラビアから撤退する直前、当時のキシナウ市長はこの像を解体し、クラヨーヴァに運ばせた。しかし、そのわずか1年後、ソ連に返還された。近代化工事の一環として1954年から1956年にかけて建設されたポータルを持つ現在の正面入り口からそう遠くない場所に、文化イベントの会場として人気のあるサマー・シアターがある。公園南部には、カバ競技場とベロドロームがあり、35キロに及ぶ小道はジョギングに最適である。

カラカルのユダヤ人の過去。

クライオヴァから南東へ車で1時間弱のところに、人口3万人を擁するロマーナツイ低地で最も重要な町カラカルがある。クライオヴァとロシュオリ・デ・ヴェデ／ブカレストを結ぶ西と東の軸、そしてアルト川に沿った南北の軸の交差点という地理的に有利な位置にあるため、数世紀前にはすでに地域の重要な貿易拠点となっていました。クライオヴァと同様に、モルダヴィアとワラキアの2つの公国の統一もカラカルの重要性を高めた。1987年の火災で焼失し、2008年にようやく再開された国立劇場（1901年）は、この目覚めの証である。1859年から1899年の間に、人口は5638人から12947人に増加した。

1838年以来、小さなユダヤ人コミュニティの存在が記録されている。しかし、最初のユダヤ人は18世紀末にオーストリアの保護下で商人としてこの街にやってきた可能性が高い。第一次世界大戦が勃発する頃には、管理可能なコミュニティは200人強にまで増えていた。ネオクラシック様式のシナゴーグは1902年に建てられ、かつてのユダヤ人街の中心部、セルジェント・グリゴール・イオン通りを通ったプレヴネイ通りに面している。控えめな外観とは対照的に、シナゴーグの内部は豪華な装飾が施されているが、自然に見学することはできない。

街から少し離れたところに、小さな礼拝堂のあるユダヤ人墓地がある。定期的な管理はもはや行われておらず、むしろ地元の人がこの区画を占有しているようだ。市の職員と墓地を訪れたとき、墓と墓の間に牛が放牧されていた。驚くことに、最後の人がここに埋葬されたのは2014年のことだった。一方、最も古い墓石は、イサック・シルバーマン（1883年）とイリー・シュタイナー（1898年）のものだ。碑文の大半はルーマニア語かヘブライ語で書かれているが、唯一の例外はファニ・ケルンバッハの墓石で、ドイツ語で「子供の安らかな眠りを」と書かれている。1919年にポーランドで生まれ、ホロコーストを生き延びたマルコ・モニー・グベレクの没年を記さない墓石も目を引く。

ユダヤ人居住区の最後の名残は、遅くとも1980年以降の都市再編によって消滅し、現在では墓地とシナゴーグだけが、この街の約200年にわたるユダヤ人の歴史の証人となっている。現在、非常に小さなユダヤ人コミュニティが存在するのはクレイオヴァだけである。ユダヤ人墓地は、カトリックやプロテスタントの墓地からそれほど離れていない。また、オルテニアには多文化的な過去もある。ドナウ川、アルト川、カルパティア山脈の間には、勇者ミヒャエルを輩出したラテン語の州、オルテニアには多くの発見がある。

ADZ | Allgemeine Deutsche Zeitung
文と写真 マイケル・ムント